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【 整骨院/接骨院新規開業 】治療院テナント決めのコツを徹底解説

治療院のテナント決めは重要
新規で整骨院や接骨院を開業するときに、テナント決めは楽しい部分でもあり、ストレスもかかるものです。

テナントを「なんとなく」で決めようと思ってませんか?
その意思決定は危険です。
実際に、テナントを決めていくときに「なんとなく」でやってしまうと失敗してしまうケースもあります。実は、テナントを決める際には明確な条件などを決めておく必要があります。
これは、治療院の開業準備においてコンセプト設計やターゲティングなどを行っていればスムーズに進みますが、決めていない場合には「なんとなく」といった意思決定になりやすいです。


今回は、治療院新規開業のテナント決めにおいて知っておきたいポイントやコツについて詳しく解説していきます。
テナント決めの主な流れ
まずは、テナントを決める上での全体感を見ていきましょう。
まずは治療院のコンセプトやターゲットを明確にしなければなりません。治療院を開業しようと思って、いきなりテナントを探すのではなく計画をしっかりと策定するのが大切なポイントです。
次に市場を見ていきます。3C分析などを活用していきながら、市場の状態を確認していくことが大切です。具体的な数値として明確になっていきやすいため、状況を整理することが可能になります。
コンセプトや市場分析が終わったあとには、損益分岐点がどのくらいになるのか?を総合的に作成していきます。当たり前ですが、テナント料はランニングコストに関わるので最大値を決めておかなければ利益率の低い治療院になる可能性が高くなります。
損益分岐点の算出に基づいて、テナントの予算を決めていきます。ここまで分析したものをベースにテナントを探していきます。
テナント探しは、運の要素もあります。そのため、時期によって良いテナントがある場合とそうでない場合があります。なので、3ヶ月程度はかかると考えて前もって動くことが大切になってきます。



つまり、テナントを決めるまでには3~5ヶ月ほどの準備が必要というのが基本になります。整骨院や接骨院、整体院の開業を考えたら、総合的に6ヶ月前くらいから準備を進めるというのをおすすめしています。


市場調査と商圏分析
それでは早速、テナントを探していく方法の一つ目から解説していきます。まずテナント探しにおいてやっていくべきことは、自分が開業を考えているエリアの状況を知ることです。
市場や商圏を知らずに探している場合には、博打近い行動なので注意しておきましょう。
ターゲット明確化
コンセプトが出来上がっていれば、おのずとターゲットも明確になっていきます。
- 主な対象層:高齢者、労働者、主婦、学生など
- 症状ニーズ:慢性腰痛、肩こり、スポーツ外傷など
商圏分析
周辺競合の有無と稼働状況を調査していきながら、徒歩5〜15分圏内にどんな住民・施設があるかも確認していきます。
大切なことは、実際に気になったエリアについては足を運ぶことです。テナントの内見よりもまずは市場の確認をするのが一番最初です。
また簡易的に状況を把握するためには、国勢調査・地域住民構成・年齢分布などをデータを確認しましょう。集客率を算出する際に使用していくことができます。
損益分岐点の計算
損益分岐点とは、売上から販管費を差し引いた時に利益・損失が出ない数値になります。
例|50万の売上で50万の販管費なら、損益分岐点は50万です。
つまりいくら売上高を作ると利益が出るのか?を計算していきます。実際には治療院経営ではテナント費用だけではありません。
主な販管費例
- テナント料
- 水道光熱費
- 通信費
- 減価償却費
- 融資返済費用
- 人件費
- 外注費
- 広告宣伝費
これらが毎月かかるコストとして計算していかなくてはなりません。つまり、テナント以外の料金を予測で算出していきテナント料の目安を逆算で出すというのが通常の流れです。



また、作りたい利益率によって売上高も変わってくるのでそこも事前に計算しておくべきです。この計算なしにテナント探しは、「なんとなく」で決める典型的な例になっていきます。
立地選定の5大チェックポイント
ここからは、実際にテナントを探していくために必要な情報やコンセプトによってどんな店舗が良いのかについて解説していきます。
チェック項目 | 内容 | 推奨基準 |
---|---|---|
①人通り | 日中・夕方の通行量調査 | 平日1時間あたり100人以上 |
②視認性 | 歩行者や車からの見えやすさ | 1階路面・角地・大通り沿い |
③アクセス性 | 駐車場・駐輪場・駅距離 | 駐車2台以上 or 駅徒歩15分圏内 |
④近隣施設 | 集客にプラスの施設が隣接 | スーパー、ドラッグストア、整形外科、スポーツ施設など |
⑤競合状況 | 半径500m内に何院あるか | 競合数1〜2件で差別化できる条件があればOK ※競合が多い場合でも、コンセプトが異なれば攻められるエリアであればOK |
テナントを軸に決めるというよりかは、周辺の状況によって決めるというのが基本になります。なので、状況を知り一つずつ当てはめていきながら決めていきましょう。
成功確率を高めるテナント選定戦略
01.「導線マーケティング」の活用
- 周辺施設との人の流れ(買い物→施術など)を読む
- 「帰宅動線」や「昼休み動線」上に位置する物件は集客強い
- 基本的には視認性や道路の交通量が肝になってくる
人の動きを確認しながら、テナントを決めるのは基本です。実際に集客していかなくてはいけな時間の状況を確認するようにしましょう。
02.「地域の空白地帯」を狙う
- 競合マップで穴を探し、ニーズはあるが選択肢がない地域へ出店
- 駅からは離れていないが、周辺に競合がいない地域
探してみると、地域によっては整骨院や接骨院などの治療院が集中しているところもありますが少しずらすとほとんど競合がいないというエリアは存在します。
そこ周辺の住人の状況などを把握したうえで、どうするかを決めていくようにしましょう。正直、戸建てでも築年数が経過している家が多い場合に集客をしていく上でうまくいかない可能性も出てきます。
新しい戸建てが建つようなエリアを中心に出店していくのが、売上はもちろんですが中長期の経営においても安定していく可能性を高められます。
03.「コンセプトと一致しているか」を考える
- 「高齢者特化」なら介護施設・スーパー隣接
- 「スポーツ外傷専門」ならフィットネスジムや小中学校の近く
- 「腰痛」や「骨盤矯正」ならスーパー・保育施設・商業施設
集客をしていきたいコンセプトに基づいて、エリアや条件面の選定をしていくことがテナント探しには重要になってきます。
立地形態別の特徴と向き不向き
テナント形態 | 特徴 | メリット | デメリット | 向いている業態例 |
---|---|---|---|---|
路面店 | 人通りが直接導線 | 視認性・集客力が高い | 賃料が高い | 一般的な整骨院、交通事故治療、地域密着型 |
空中店舗 (2階以上) | 賃料が安い/目立ちにくい | 費用抑制/広さ確保 | 集客には工夫が必要(看板・導線) | スポーツ専門・紹介中心の治療院 |
地下店舗 | 視認性が最も低い | 賃料が格安/静か | 初回来院の心理的ハードルが高い | 美容整体・完全予約制プライベート院 |
駅近店舗 (徒歩10分以内) | 流動人口多い | 通勤・通学者を狙える | 競合も多く賃料高 | 学生・会社員向け、夜遅く営業する院 |
郊外・住宅街型 | 地元住民がメイン | 安定した固定客/駐車場確保しやすい | 新規集客に時間がかかる | 高齢者向け/慢性痛/訪問併設型 |
医療ビル・商業施設内 | 他業種と相乗効果 | 医療系連携・信用性高い | 設備・看板制限/運営時間の制約 | 骨折・脱臼対応型、整形外科との連携狙い |
最も無難なのが、路面店です。路面店と言っても住宅環境(戸建て・マンション・アパート)の状況を確認しましょう。路面店でも、周辺に住宅が少ない場合には気軽に利用できるエリアではないため集客が大変になっていきます。
サービス内容に応じた最適立地の考え方
一般的な保険診療メイン(一般外傷中心)
理由:年齢層広く、初回集客力が重要/安心感が求められる
立地条件の優先順位:視認性 > アクセス > コスト
おすすめテナント:路面店(1階) or 駅徒歩圏
保険施術をメインで行っていく場合には、ある程度の回転率も考えて駐車場の有無もポイントになります。また、周辺の学校状況をベースに考えて路面店にするのが一番おすすめです。
自費施術・美容整体・姿勢矯正などの高単価サービス
理由:価格より体験価値・雰囲気重視の顧客がターゲット
立地条件の優先順位:ブランディング > 静寂性 > プライバシー
おすすめテナント:2階・空中店舗 or 美容ビルテナント
自費メインの施術であれば、Web集客や紹介による集客がメインになっていくため空中店舗での運営も可能になってきます。
その代わり、空中店舗になるので認知獲得から集客までの活動が鍵を握ります。闇雲にチラシを撒くのではなく、知ってもらうことから興味を持ってもらうことで来院につなげることが可能になっていきます。


スポーツ障害・アスリート対応(学生・クラブチーム)
理由:紹介・口コミでの来院が多く、通いやすさ重視
立地条件の優先順位:アクセス > 専門性PR > 時間対応
おすすめテナント:路面店・1階/体育館・ジム・学校近く
スポーツ障害や外傷をメインにしていくときには、周辺の学校数・生徒数・整形外科の有無などもしっかりと確認していかなくてはなりません。
骨折や脱臼整復を行ったあとの精査依頼などを含めて、テナント探しをしていく必要があります。しかも、整形外科への定期的なご挨拶を行い連携を図れるコミュニケーションも実施しなくてはなりません。
高齢者・ファミリー層向け(地域密着)
理由:日常の買い物動線と被せることで「ついで来院」がしやすい
立地条件の優先順位:駐車場 > 生活導線 > 安心感
おすすめテナント:郊外型 or 商業施設内テナント(スーパー隣接など)
一般の亜急性・慢性症状を中心に施術を行っていく場合には、地域の人が利用しているスーパーなどの店舗周辺がねらい目になってきます。
または、商業施設内のテナントになりますが個人院の場合、ランニングコストの支払いが高くなるのであまりおすすめできません。商業施設内のテナントは、個人よりもグループ院が取るべき戦略です。
治療院のテナント決めは分析が肝
ここまでご紹介してきたように、新規で整骨院や接骨院、鍼灸院、整体院などを開業する際には損益分岐点の計算・人口分析などテナントを探す前にやるべきことがあります。
これらをしっかりと行った上で、エリア選定・テナント選定を進めていくと認知獲得から集客までの戦略も立てやすくなっていきます。



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回数券を使わない=毎月安定した経営が実現可能です。
テナント選定においては、イニシャルコストよりもランニングコストの方が絶対に大事です。初期コストは、その時のダメージにはなりますが継続的なものではありません。ですが、ランニングコストは常にかかるコストなので、ここをしっかりと考えていないと安定的な経営を実現することは難しくなっていきます。
個人で開業する場合には、資本が限られているので全てがマッチするのは難しくても、条件面がしっかと整っていれば良いテナントが見つかります。
Kuruinでは、テナント選定前の状況分析や損益分岐点の作成などシミュレーションサポートを行っています。これから開業しようと考えている方は一度無料のお問い合わせからご相談ください。