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【 整骨院/接骨院/鍼灸院 】売上よりも利益率を重視すべき理由!

治療院経営の重要なポイントは利益率
整骨院や接骨院、鍼灸院、整体院の経営において売上●●●万円!みたいな記事や投稿を見る方も多いとは思いますが、実際に重要なのは利益率です。
月100万以上の売上を超えること自体には、願望や目標と言った経営とは別の意味が入り込むことが多いです。実際には月80万でも高利益率の店舗運営ができていれば、毎月安定するのはもちろんのこと、プラスの動きも選択肢として増えていきます。

広告費をかけずに集客ができる治療院を意図的に作ることができれば、利益率が上がるのは当然です。
昨今の情報では、”広告をかけること”が前提になっているので当たり前ではありますが利益率は”下がっていく”という仕組みになります。
今回は、売上よりも利益率を最優先で考えるべき理由について詳しく解説していきます。現状、売上や利益率についてお悩みの先生はぜひ最後までチェックしてみてください。
売上と利益率の違い


まず一番最初におさらいとして、売上と利益率の違いや考え方についてみていきましょう。
【 治療院経営 】売上とは
売上とは、商品やサービスを販売したことによって得られる総収入のことです。
売上の特徴
- 顧客からの需要や集客力を示す「規模感」の指標となる。
- 「市場でどれだけ売れているか」を把握できる。
- ただし、経費や原価を考慮していないため、売上が高くても赤字になる可能性がある。
個人・グループに限らず売上をどんなに高くしても、そこにかかるコストも高ければ経営としては上手くいく可能性は低くなっていきます。
【 治療院経営 】利益率とは
利益率とは、売上に対する利益の割合のことを指します。また利益率は2つあります。
- 粗利益率=(売上-原価)÷売上
- 営業利益率=(売上-原価-販管費)÷売上
ポイントは、原価と販管費を分けて考えることで様々な観点から物事をとらえることができるようになります。
粗利益が示す意味
- 価格設定・仕入(または材料や外注)・割引(値引き)の良し悪しが見える
- メニュー別の単位経済性(1件あたりの稼ぐ力)が分かりやすくなる
- 仕入交渉、原価低減、メニュー設計・ミックスの成果がダイレクトに反映
- サービス業では売上原価が小さく、粗利率は高く出がち(=良い事だが、“儲かる”とは限らない)
営業利益が示す意味
- 事業の最終効率を示すもの。人件費・家賃・広告費などを含めた運営の巧拙
- 既存設備・人員の生産性、稼働率、集客効率(LTV/CAC)が反映される
- 持続性・再現性のある“事業の強さ”を測るコア指標
このように二つの指標でも、考え方が変わってくるため一つだけの売上という項目だけを見ていくのには経営ではないため注意していきましょう。
これらを適切に算出していくには、毎月の損益計算書(PL)の作成が必要です。事業の良し悪しを判断するためにスプレッドシートなどにまとめて作成していくことで各数値がハッキリと見えてくるようになります。
売上が高いだけでは意味がない


売上の高さだけ(売上至上主義の考え方)では事業がうまくいっているとは言えないのには、理由があります。
- 赤字成長のリスク
- 広告費や値引きで無理に売上を拡大すると、粗利益より経費が膨らみ、売れば売るほど赤字になることもあります。
例:クーポン施策で客数は増えたが、値引きのせいで粗利総額は減少するなど。
- 広告費や値引きで無理に売上を拡大すると、粗利益より経費が膨らみ、売れば売るほど赤字になることもあります。
- キャッシュフローの悪化
- 売上が大きくても利益率が低いと、固定費や仕入れ代金の支払いに追われ、手元資金が不足する傾向が高くなります。特に資金繰りは「売上」ではなく「利益+入金サイクル」で決まってくるため目の前の金額だけにとらわれると危険です。
- 数字に安心して改善が進まない
- 売上が伸びていると「うまくいっている」と錯覚し、利益率低下や固定費増加を放置してしまいがちです。その結果、黒字倒産や赤字転落を招きやすくなります。
高いコンサル料・高い広告費を支払っているケースもあると思いますが、それらを含めた場合の利益率が低くなっていたり、回収までの期間が長ければ長いほどリスクも高くなるということになります。



一番の理想形は、コンサルや広告なども必要最低限の金額で売上アップと利益率拡大を図れる状態を目指すことです。
治療院経営における、重要な捉え方
- 売上は「規模の指標」であり、会社の体力や安定性を保証するものではない
- 経営において重要なのは「利益を確保できているか」「利益率が適正か」
- 売上が高い=良い経営ではなく、利益が残って初めて意味がある
ここまでの内容を踏まえたうえで、利益率の適正値はどのくらいなのか?ということについて次のステップで解説していきます。
利益率をどこまで求めるべきか


おおよその目安にはなってくるので、そこが適正かどうかは総合的に判断しますが以下のような考え方をベースに経営していくことが大切です。
- 粗利益率=90%以上
- 営業利益=8~10%以上
粗利益は、仕入れコストになってくるのでそんなに高くならないのが基本です。そしてそこから販管費(家賃や人件費・水道光熱費・減価償却費・融資返済費)などを差し引いた営業利益で、8%以上出ているのが基本的な形です。
つまり、毎月いくら売上が出て利益がいくらか?というのを明確にしていないとここの部分は概算になってしまいます。
個人院でもグループ院でも経営の形は色々あるにせよ、損益計算は毎月するべきです。このような数値管理をしていないところの方が経営が苦しくなっていたり、頑張っているのに売上が上がらないという本質以外の悩みを抱えているケースもあります。



粗利益・営業利益の2つを算出するように行動していきましょう。
利益分を上手く回すには


そして、次に重要なのはここまでで解説してきた利益率をどうやって効率良く事業に再投資できるか?です。予定営業利益率以上の金額を広告費や設備投資に充てるという方法が一番効率良く、事業を更に伸ばしていくことが可能になっていきます。
また、融資を初期で借入していく際にはランニングコストの面も考慮しておくと負債とはなるものの運転資金があるため動きが流動的になっていきます。



集客も売上も数値の管理のもと行っていき、高い利益率の中からコストをかけて勝負するやり方はプラスαの要素を作る動きなので経営が更に加速していくのは言うまでもありません。
利益率の低い治療院の特徴


ここまでの内容を踏まえたうえで、利益率の低い整骨院や接骨院、鍼灸院、整体院の特徴とは何でしょうか?
これを具体的に理解しておくことが、現状確認にも役立ちますし、これから何を優先的に行動するべきなのか?というのも見えてきます。



利益率の低い治療院の特徴は以下の3つになってきます。
01.広告費を適当に決めている
最も多いであろう考え方や行動が、広告費の上限・下限を適当に決めていることです。
今の経営状況からどのくらい捻出することができるのか?をベースに考えている場合にはこうなります。余剰資金を作り、それを運転資金にするという考え方ではないので差が生まれていきます。
売上●●●万円のうち、営業利益●%以上なら、うち●%分(●万円)使用する。
こういったルールが明確になっているかどうかがカギを握ります。
02.ランニングコストが高い
ひとつめの項目を踏まえて、イニシャルコストとランニングコストで考えたときに、中長期目線で言えばランニングコストが安いことの方がメリットが大きいのは当然です。
“ランニングコストが高い=営業利益が低い”
こういった式が出てくるため、利益率低下は必然となってしまいます。
ランニングコストの高さや適正値に関しては、開業前の準備段階で試算しておくのが基本となってきます。それを疎かにして開業してしまうと、予想以上にコストがかかり、結果的に営業利益率も低くなってしまうという負のスパイラルに入ってしまいます。
開業前の準備に関しては、以下の記事で解説していますのでご参照ください。




03.売上がそもそも低い
元も子もない話ですが、利益は売上から差し引いて計算していくものです。つまり、売上が50万未満などになっている院では営業利益はほぼ無いに等しいと思います。
そういった場合には売上をどうやって改善するべきなのか?というのが基本の入り口になってきます。
売上50万以下の治療院の特徴は以下の記事で解説しているので、興味のある先生はご覧ください。


利益率の高い治療院のメリット


一方で、利益率が既に8%以上捻出している治療院の場合、大きなメリットを享受できます。やはり、売上が高いかどうか?よりも利益率がしっかりと高い方が、経営において必要なことに関する投資がハッキリとしてきやすくなります。



利益率の高い治療院のメリットは、以下の3つです。
01.積極的な動きがしやすい
利益率の高さ=余剰資金を作れている
という考え方もできるため、積極的な集客行動やより販路を拡大するような動きができるようになります。
闇雲に動くのではなく、”利益の何%を使って動く”という考え方を持っている先生は、費用対効果なども気にしながら運営ができているハズです。
利益率の高い治療院は、高額なコンサルや多額の広告費をかけずによりビジネスが成長する戦略に踏み込んでいきやすくなるのも大きなメリットになっていきます。



結果的に更に事業がうまくいくというスパイラルになります。
02.プラスαの考えが生まれる
利益率が高い場合には、患者様にとって”必要なこと”・”重要なこと”に対する設備投資に対する考え方や軸がハッキリしてくるため、資金の使い方がうまい治療院が多いです。
顧客満足度や自然と集客の流れを構築できる方法に資金を流すことができるため、より盤石な経営状況を作っていくことができるという流れになります。
資金活用の考え方の例
- リハビリ機器の導入
- レジ回りの効率性のアップ
- 予約システムの効率化
- Webサイト強化への追加投資
- 資産形成や税金対策強化(小規模企業共済など)
こういった複合的に必要なことへ資金を使うことができるようになっているのが、高い利益率の治療院の特徴です。



売上高ではなく、利益率の高さこそが事業にとっては重要な意味がこういった項目を上げていくと明確な差として理解できるようになります。
03.スタッフの雇用が考えられるようになる
これは、一人治療院からの拡大という意味で言えば、アルバイトの雇用やスタッフ雇用への余裕が生まれるようにもなっていきます。
生産性の向上や効率性の向上に投資をしていくと、更に事業は伸びやすくなります。
一人の限界値が120万だとしたら、二人で運営できれば200万以上は稼げるようになっていきます。そうすると、利益率はより生まれやすくなり、更に拡大を図れるような状況を徐々に作ることができるようになっていきます。
最終的にどうしたいか?という目的がない状態で雇用することは、リスクとコストがかかってくるので慎重に検討していく必要があります。
売上と利益率が伸ばせずに悩んだら


今回の記事では、売上高よりも利益率を重視すべき理由について解説してきました。
実際に、利益率の高い治療院の方が最終的に中長期的な経営の持続性も踏まえて考えると有利だと思います。当然売上が低い(50万円~60万円以下)などのレンジからは抜け出さないといけないので、現状どこにいるのか?はハッキリとさせる必要があります。
俯瞰的に考えた結果、いま自分の院はどうすればいいのか?というのを具体的に見つけるようにしていきましょう。
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