【 整骨院・接骨院 】自費単価の決め方と考え方について徹底解説!

治療院の自費単価
CONTENTS

自費単価は初期設定で決まる

整骨院や接骨院などの治療院を経営していく上で、とても大切な設計が「単価」です。

単価について「何となくこのくらい・・・?」みたいな感じで決めてませんか?

単価を戦略的に決めていくことができると、売上の安定化につながっていきます。これは、単月だけでなく中長期的な視点でも重要になってきます。

自費メインの整骨院でも、外傷に特化した接骨院でも基本的な考え方は同じになります。

単価をどうするか悩まないように、戦略的に決める方法と流れについて詳しく説明していきます。

治療院開業が不安な人へ

 

         

  • 治療院の開業の流れが分からず不安
  • 初めての開業で上手くいくのか不安
  • 開業準備に悩みすぎて困っている

治療院開業を本気で成功させるために!

Kuruinでは、整骨院・接骨院・整体院・鍼灸院の新規開業支援を行っています。準備期間から認知・集客・売上アップまでをトータルサポート。

新規開業の支援ってそもそもうまくいくの?と感じている方。まずは一度LINEかメールで無料相談ください。お話しした上で、今後の動きをご自身で決められるスタンスなのでご安心ください!

自費単価を決める前に

自費施術の単価決めの前に、目標値を具体的に決めておくようにしましょう。

目標があるから、基準となる単価を決められるという順番です。そのため、50万・100万・150万と最大値をどこに置くかで単価も変わってくるので、目標設計から入ることが大切です。

目標設計に関しては、上記の記事で詳しく解説しているのでここで扱う目標は、楽観と悲観の要素だけ分解していきます。

【目標売上】楽観

楽観的な目標は、売上の最大値として考えすべて上手くいったときの数値です。

例えば、全ての条件がそろった時(営業日数・来院人数・単価)の3つが最大値までいったときのマックス値150万円とした場合には、単価が何円だと達成できるかどうか?という考え方です。

基本のおさらい

売上の公式=人数×単価×頻度

上記の式は、どんなビジネスをしていてもこれに当てはまります。その時に、扱う数値が異なるだけです。そのため、最大値を決めた時に、基準となる最低単価を出すことは可能です。

【目標売上】悲観

悲観的な目標は、言葉通りで最低限の売上数値を達成するためのロジックを組み立てていきます。

最低限超えていかなくてはならない数値なので、売上の公式を使っていくことと損益分岐点を知らなくてはいけません。

損益分岐点とは、ランニングコストの部分においてとても重要です。損益分岐点に関しては以下の記事をご覧ください。

例えば、損益分岐点が50万円で利益率5%を毎月出していくというケースで考えます。

最低限の売上の組み立て方

売上53万(損益分岐+利益率)=人数×頻度×単価

利益率5%を考慮すると、53万以上の売上が必要となる。1日の売上を平均で出していき、×営業日数で計算していけば、53万を超える数値が出てきます。

悲観的な目線での売上数値は、最低限超えていなければならない金額です。そのため、これをいつまでに超えるのか?というのが新規開院時には計画されていないとマズイです。

結構多いのが、最低限必要な売上よりも楽観でご紹介した最大値で考えていることです。これでは全て上手くいくことだけが想定されているので、上手くいかなかった時のギャップで精神的にもダメージが大きくなります。

楽観と悲観の両面で数値を分解して考えることが、とても大切になってきます。

単価は分単価から考える

目標対比で必要な分単価を割り出していきます。

ここからは、数字を多く扱っていくので大変だと思いますが目標達成に必要な考え方なので諦めずに読み進めてください。

具体的には、4P分析を使用しつつ分単価で分解して組み立てていきます。

4P分析とは

4P分析とは、マーケティングのフレームワークです。初期設計の時に用いることが多いため、分単価を決めていく上で必要な情報を整理していきます。

以下の表の4つの要素を組み立てていくことで、ビジネスのモデルを構築していきます。フレームワークではありますが、おおよそ整骨院や接骨院などの治療院業界の場合、ProductやPlaceの部分は決まっているのでそこまで難しくなることはありません。

スクロールできます
4P分析意味目的
Product製品・サービス何を提供するか(価値の創造)
Price価格いくらで売るか(価値の交換)
Place流通・販売チャネルどこでどう届けるか(価値の提供)
Promotion販売促進・プロモーションどうやって知らせ、売るか

Product【施術内容】

●主な提供価値
  • 施術サービス:保険施術・テーピング・鍼灸・リハビリ・骨盤矯正・美容鍼など
  • 健康相談:姿勢改善、生活習慣のアドバイス、栄養指導(それに付随した物販)
  • 回数券やパーソナルプラン:症状・目的に応じた個別対応
●差別化要因
  • 専門性の強調:スポーツ障害、スポーツ外傷、交通事故後のリハビリ、小児鍼など
  • 施術者の資格と経験:国家資格(柔整師・鍼灸師)だけでなく、今までの経験が重要(トレーナー経験や院長経験など)
  • 最新設備:EMS、ハイボルテージ、ラジオ波、超音波診断、AI姿勢診断などの導入
●顧客ニーズの傾向
  • 慢性痛・肩こり・腰痛・頭痛の改善
  • ダイエット・美容・姿勢矯正などの健康増進目的
  • 自費施術での“付加価値体験”への期待が高まっている

施術内容・コンセプト設計は、差別化につながるため具体的にしておくことがおすすめです。ですが、認知から集客のときに全てを入れた訴求はブレるので、効果性が落ちることも覚えておきましょう。

Price【価格設定】

●保険診療と自費診療の構成
  • 保険施術(骨折・捻挫等):比較的安価(数百円〜)
  • 自費施術:2,000円〜6,000円程度/1回(内容により上下)

この価格設定の部分で、1分あたりの施術単価から考えることが大切です。自分の行う施術サービスが100円以下の場合には早急に見直すべきポイントです。

これは、分単価100円の場合にマックス値が良くても100万というところになります。しかもその100万円達成の条件は楽観目標設定で話ししたように、最大値になるのでほぼ不可能に近い状態になります。

●価格設定のポイント
  • 競合比較(商圏内平均)と価値提示力のバランス
  • 初回限定価格(例:体験1,980円)で初回利用のハードルを下げる
  • サブスク・回数券制でLTV(顧客生涯価値)を高める
●課題と戦略
  • 過度な価格競争に陥らず「価値訴求型」の価格提示を
  • 他店との違いを「結果」や「専門性」で正当化する説明が重要

これらは、この後の単価を決める具体的なところで、掘り下げていきます。

Place【立地や提供場所】

●立地の重要性
  • 住宅地や駅近、商業施設内が有利
  • 駐車場の有無・ベビーカー可・バリアフリー設計など
●オンライン対応の進展
  • LINE予約・Web予約システムの導入が必須
  • SNSやGoogle口コミを活用した「来院前の顧客体験」設計
  • 一部ではオンラインカウンセリングや「セルフケア講座」も展開

Promotion【施術の販促】

●オンライン施策
  • MEO対策(Googleマップ上位表示)
  • Instagram/X/LINE公式などSNS活用
  • ホームページ/ブログSEOによる自然流入
●オフライン施策
  • ポスティングチラシ・地域誌掲載
  • 地域イベント出展・健康セミナー開催
  • 院内紹介カード・紹介割引制度
●信頼性と権威性の提示
  • 施術者の資格・実績を明示
  • before/after写真(許可取得済)や症例紹介
  • お客様の声・口コミの掲載

施術の販促(Promotion)は、広告運用や集客手法になってきます。今回の単価を決めた後に行う認知から集客において重要なポイントになってきます。

価格を分単価で分解

整骨院や接骨院などの治療院における施術サービスの価格は、必ず「分単価」へと分解していきましょう。

分単価の考え例

● 20分2000円の自費施術の場合・・・分単価100円
● 20分2500円の自費施術の場合・・・分単価125円
● 20分3000円の自費施術の場合・・・分単価150円

このように施術に対する分単価を計算しておくと、安易に2000円という意思決定はしないと思います。

【分単価100円を避けるべき理由】
2000円の施術を1時間に3名で8時間営業の場合には、48000円/日
=20日営業の場合、最大売上が96万円
毎日全力で頑張っても、100万にいく可能性はほぼあり得ない状況になる。

これが、分単価で考えなくてはいけない考え方の理由です。

最大稼働で算出したときに、100万超えてないサービス形態なのに「売上100万行きたい!」は絶対に達成できない仕組みになっていることに気づかなくてはいけません。

整体院の理想の分単価は、120円以上は最低でも担保しておき7割稼働で売上80万円以上が見込める状況を作ることが重要です。

分単価は逆算で割り出す

分単価は、目標数値から逆算し、「1日の人数・平均単価・営業日数」からシミュレーションしていきます。

スプレッドシートでこの計算式を損益分岐点と一緒に考えていくことで、より具体的な戦略を組み立てることが可能になります。

分単価計算・損益分岐点の計算シミュレーションシートは、無料お問い合わせをしていただ方に配布しています。

施術の流れと単価でシミュレーションをする

忘れてはいけないのが、単価を決めた後の詳細シミュレーションです。具体的に数値を使ってみていきましょう。

売上の最大値を算出

ケース01

分単価120円/施術時間30分/1日最大枠16名

120円×30分=3,600円/回
3,600円×16名=57,600円/日
57,600円×20日営業=1,152,000円

ケース02

分単価150円/施術時間30分/1日最大枠16名

150円×30分=4,500円/回
4,500円×16名=72,000円/日
72,000円×20日営業=1,440,000円

分単価の計算からひも解いていくと、最大値におおよそ30万円ほどの差が出てきます。これを現実的に毎月できるはずがないため、次のステップで7割稼働での計算も行います。

売上最大値の7割で利益率10%以上

先ほどのケース01と02をそのまま使用して、稼働率7割・利益率10%以上になるか算出をしていきます。

ケース01

分単価120円/施術時間30分/1日最大枠16名

120円×30分=3,600円/回
3,600円×16名=57,600円/日
57,600円×20日営業=1,152,000円

稼働率7割=806,400円
損益分岐点=65万円と仮定(固定費+人件費)
=利益156,400円(利益率19%)

ケース02

分単価150円/施術時間30分/1日最大枠16名

150円×30分=4,500円/回
4,500円×16名=72,000円/日
72,000円×20日営業=1,440,000円

稼働率7割=1,008,000円
損益分岐点=65万円と仮定(固定費+人件費)
=利益358,000円(利益率35%)

ケース01・02ともに、利益率10%以上を余裕をもって超えることができる計算です。

ここで知っておくべきことは、7割稼働でも利益率10%以上は取れるということと現実的な運営に近づいた計算をすることで動き方も明確になっていきます。

本来は、これらを新規開院前にシミュレーションすることで契約する物件の家賃上限も算出していきます。このシミュレーションを重ねていくことは、イニシャルコストよりもランニングコストの方が重要であるため必ず行うべきです。

7割稼働が重要な理由

毎日100%の人数が来ることと、100%の成果を出すことはまず難しいことは想像できると思います。

だからこそ、最初にシミュレーション上で7割・利益率10%を作っておく。

治療院開業初期(~3ヶ月)はまず、損益分岐点を超えることを目標に人数や売上を算出する。その後に利益率を考慮した数値を算出する。

オープン前にやっておくことで、何人集客しなくてはいけないのか?どうやって集客するのか?を具体的に落とし込むことが可能になります。

単価を途中から値上げする場合

もう既に店舗経営をしている場合には、途中からの値上げになっていきます。

その流れについても解説していきます。

単価の上げすぎには気を付ける

ここまでご紹介してきたように、今の施術料金を「分単価」へと計算し直す。

その現状から+5~10円のレンジで落としどころを見つけるといったイメージです。

現状からの値上げの考え方

30分90円の施術・・・2700円
+5円・・・2850円
+10円・・・3000円
+15円・・・3150円

施術の分単価100円以下の場合には、100円~105円までの値上げが基準値です。
そこから徐々に値上げをしていき、120円のレンジまでもっていくことができると
経営の安定化を図ることができるようになります。

今の施術サービスから、急激な値上げは離反を招く可能性もあるため注意しながら行っていきます。

とはいえ、「いつも安くて助かる」「こんなにやってもらって・・・」といった声が患者様からある場合には、値上げしないとサービスと金額が不釣り合いが続きます。

良くやってくれる=支払い金額に対する価値がサービスの方が過剰になっている可能性が高い

施術の価値にフォーカスする

値上げがなかなか難しいと考える先生は多いです。

そんなときに、考えておくべき視点としては「自分の施術サービスの価値」はどのくらいか?というのを見積もるようにしましょう。

これは、いろいろな方の意見をいただきながらにはなりますが、施術満足度の部分と来院パターンを分析していくことでおおよそ見えてきます。

そこから、分単価とのバランスを見て、最終的な着地を決めていくといったイメージです。

気心知れた方には、サービスの質に関する質問を投げてみて回答内容をいくつか探るのでも良いかと思います。

単価決めは戦略的に行うこと

ここまでご紹介してきた「単価」ですが、決めるときには戦略的にシミュレーションすることで失敗や悩みのハードルを下げることができます。

あとは、このシミュレーションに乗っ取って「認知」から「集客」の動きをひたすらしていけばいいだけです。

治療院の課題に多い「集客」の大前提に、売上のシミュレーションが無ければ「何となく毎月○○万円くらいの売上」みたいなことになります。

これでは、安定した経営にはなりにくく、いつも不安と隣り合わせになります。

まずは大変でも、「分単価」から「売上最大値」・「7割稼働の売上」・「利益率10%以上」を計算してみましょう。
今回の分単価シミュレーションについて分からないことや疑問点があれば、気軽にご相談ください。

分単価計算・損益分岐点の計算シミュレーションシートは、無料お問い合わせをしていただ方に配布しています。

治療院開業が不安な人へ

 

         

  • 治療院の開業の流れが分からず不安
  • 初めての開業で上手くいくのか不安
  • 開業準備に悩みすぎて困っている

治療院開業を本気で成功させるために!

Kuruinでは、整骨院・接骨院・整体院・鍼灸院の新規開業支援を行っています。準備期間から認知・集客・売上アップまでをトータルサポート。

新規開業の支援ってそもそもうまくいくの?と感じている方。まずは一度LINEかメールで無料相談ください。お話しした上で、今後の動きをご自身で決められるスタンスなのでご安心ください!

CONTACT
お問い合わせ

まずは、Kuruin(クルイン)にご相談ください!

治療院のマーケティングに関するアドバイスを聞きたいという方も
無料のオンライン相談承っています。

お問い合わせはこちら
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
CONTENTS